轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

01 上巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 150,580 字 · 287 页

青空文庫

学校用品やままごとの道具をそこら一杯散らかしているので、不意に来客があったりすると、よく大騒ぎをすることがあった。

夕方、表のベルが鳴ると、悦子は鉛筆を放り出して迎えに出たが、約束のお土産の包を提げて応接間へ這入って来た雪子のあとから、自分も飛んで這入りながら、

「見たらいかんよ」

と、慌てて帳面をテーブルの上に伏せた。そして、

「お土産、見せて」

と、直ぐその包を引ったくって、中の玩具を長椅子の上にならべた。

「有難う、姉ちゃん」

「このことやろ」

「ふん、これやわ、有難う」

「もう綴方書けたのんか」

「いかん、―――いかん、―――」

悦子は帳面を取り上げると、両手でひしと胸に抱きしめるようにしながら向うの方へ飛んで行った。

「―――これ、ちょっと訳があるねん」

「何やのん」

「うふふふふふ、―――これなあ、姉ちゃんのことが書いてあるねん」

「書いてあったかてええ。見せなさい」

「後で、―――後で見せる。今はいかんねん」

悦子はその綴方は「ウサギノミミ」と云う題で、姉ちゃんのことがちょっと出て来るのだと云った。そして、今見られるときまりが悪いから、自分が寝たあとでゆっくり見て、間違っているところがあったら直しておいてほしい、自分は明日の朝早く起きて、学校へ行く前に清書するからと云うのであった。