轻松读懂日语经典作品
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
内藤さんの子供がみんな優良なのはむろんお父さんお母さんの性質をうけている。なお教育方法があずかって力ある。両親は一生懸命だ。しかし家庭のいいこともわすれてはいけない。いいといっても金持ちではない。三百石のおじいさんは、その後がらにない山仕事をやって失敗してしまった。郷里の家やしきは人手にわたってあとは紡績工場がたっている。もしいまでもあんな大きな家に住んで昔のままにいばっているとすれば、五人のお孫さんがこんなに優良かどうかはなはだ疑問だ。
内藤さんは大蔵省へ勤めている。高等官だけれど、上の方でないからけっしてぜいたくはできない。そうかといって生活に不自由を感じるほどのびんぼうでもない。子供のためにはこれぐらいの家庭が一番よいのである。
「内藤君、きみのところのお子さんたちはみんな優等だそうだが、なにか秘伝があるのかね?」
と同僚が訊く。
「秘伝なんかないよ。しいていえば、ぼくが酒を飲まないからだろう」
と内藤さんはニコニコする。
「耳がいたいな」
「もう一つ、ぼくの家の金はぼくの汗の香いがする。それで子供たちもゆだんをしないんだろう」
「汗の香いならぼくだって負けない。