轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こくびゃくストーリー

黒白ストーリー

杉山 萠円

「黒白」1925(大正14)年5月号~9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,356 字 · 42 页

青空文庫

――19――

そこへ大勢の警官が踏み込んだ。

武丸は巧みに逃れた。

歌寿は失神したまま息を引き取った。

――19――

糸川家に音絵の屍体が到着した。

養策はその屍体を見ると泣き倒おれて、奥の一室に連れ込まれた。人々は慰めかねた。

僧侶が来て読経したあと悲しい通夜が行われた。哲也も音絵の相弟子として列席した。

夜更けて幌を深く下した人力車が玄関に着いた。中から羽織袴の竹林武丸が威儀正しく現われて、案内なしに座敷に通り一同に会釈して霊前に近付き、礼拝を遂げて香を焚き、懐中から名器「玉山」を取り出して「罌子の花」を吹奏し初めた。

通夜の人々は初め驚いたが、間もなくその妙音に魅せられてしまった。

哲也は武丸の持つ尺八を見ると青くなって座敷を辷り出してどこへか急いで行った。

「罌子の花」を吹き終った武丸は尺八を霊前に捧げ、音絵の枕元に進み寄り、死に顔を見て黙祷し涙に掻き暮れた。

狂人の表情になった養策が奥から出て来た。突立ったままこの光景を見下した。

武丸は養策を見ると手を合せてひれ伏した。そのまま血を吐いて死んだ。

哲也は戸塚警部を同伴して来た。

戸塚警部は頭に繃帯をした武丸を見るとツカツカと近寄って引き起したが、忌々しそうに突き転ばした。