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ふしぎなひと
ふしぎな人
江戸川 乱歩
「たのしい二年生」大日本雄弁会講談社/講談社、1958(昭和33)年8月~1959(昭和34)年3月<br>「たのしい三年生」講談社、1959(昭和34)年4月~12月
N4 · 入门 · 新字新假名 · 44,138 字 · 89 页
三人は、木村さんのへやにはいって、今のできごとを知らせました。
それから、小林くんは、木村さんの耳に口をつけるようにして、ぼそぼそと、なにかささやきました。すると、木村さんは、感心したようにうなずいて、
「うん、それはいい考えだ。きみのいうとおりにしよう」
と答えました。
小林くんは、いったい、なにを話したのでしょう。それは、二十めんそうを、あっといわせるようなけいりゃくでした。どんなけいりゃくだったか、やがて、みなさんに、わかるときが来るでしょう。
そのばんは、そのまま、なにごとも起こりませんでした。十時近くになると、小林くんは、木村さんと、ひそひそとなにかうちあわせてから、たんていじむ所へ帰っていきました。
さて、そのあくる日の夜のことです。木村さんの家の中で、またしても、おそろしいことが起こりました。
木村さんの家は、広いせいようかんですが、たけしくんときみ子ちゃんのベッドは、二かいのしんしつにあります。
もう、夜の九時もすぎたので、たけしくんときみ子ちゃんは、おとうさんとおかあさんに、「おやすみなさい」をいうと、パジャマに着かえ、ふたりそろって、手すりのついた広いかいだんを上がって、とちゅうのおどり場へ来たときです。