轻松读懂日语经典作品
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いちしょうにんとして
一商人として
相馬 愛蔵
――所信と体験――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,895 字 · 222 页
ではどの程度の家賃なればやって行けるかということになるが、私はまず一日の売上高で、一ヶ月の家賃を支払えるくらいのところを適当と考える。すなわち売上げから言えば三分三厘を家賃に当てるのであって、この程度であれば売価に影響するほどのことなく、尋常に営業していくことが出来るのである。もっとも喫茶店などは少しく事情を異にし、売上金高が小額でしかも相当華麗な室を設備せねばならぬのであるから、その装飾費を含む家賃は売上げの三日分くらいを要することになるであろうし、これに反し売上金高が莫大で、しかも店に装飾の必要なき卸問屋などでは、売上げの百分の一以下の家賃で済むことになるであろう。しかしそういう商売は別として、普通の小売商で営業の成り立っている店なれば、その売上げ一日分と一ヶ月の家賃はほぼ同額、または売上げ以下で家賃が済んでいると見てよかろうと考えられるのである。
『初めのうちは辛抱が大切だ、辛抱して勉強してさえいれば次第に信用がついて売れるようになる』とは誰でも開業当初に思うことであるが、仮りに百円の家賃を払うて営業し、売上げが一日僅か三十円くらいよりない場合には、家賃が売上げの一割一分につくこととなるから、とうてい将来の見込なきものとして覚悟せねばなるまい。