轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いちしょうにんとして

一商人として

相馬 愛蔵

――所信と体験――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,895 字 · 222 页

青空文庫

私はこの不充分な研究書に愛想をつかしながらなおも良書を探していると、福島県の人半谷清寿氏著の「養蚕原論」があらわれ、私はこれを見て初めてここだなと肯くところがあったのである。

「養蚕原論」にヒントを得た私は、改めて根本的に研究し直すことを思い立ち、それから西は遠く丹波まで、また北に東に名のある養蚕地を訪ねて見学し、福島県では菅野、丹治、群馬では深沢、田島等の諸氏を訪問して直接教えを受け、その他多くの古老に質し、他方実地の研究も進んで確信を得たので、これを著述し、「蚕種製造論」と題して、田口卯吉氏の経済雑誌社から出版したことは前に述べた通りだ。(菊版百九十頁、定価五十銭、明治二十七年二月発行)

ついで「秋蚕飼育法」(四六版八十頁、定価十五銭)を著し、友人竹沢章氏の蚕業新報社より発行したが、これは五万部も売れて、あれを読んでお蔭で好結果を得たといって礼状もたくさん来たし、わざわざ遠く九州辺りから私のところへ講習を受けに来た人も少なくなかった。私はその後養蚕から全く離れてしまったが、今でも養蚕の話を聞くと旧友に会ったようななつかしみを感ずるのである。

蚕種製造家として郷里に落着くとともに、私の周囲には自然近辺の青年たちが集って来るようになった。