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いちしょうにんとして

一商人として

相馬 愛蔵

――所信と体験――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 114,895 字 · 222 页

青空文庫

主人主婦と店員の例会

感ぜしめる。それだのに女はどうしてお内儀さんといわれるのを好まないのであろうか。少なくともあなた方は店頭で私を奥さんと呼ばないように注意して下さい。

主人主婦と店員の例会

主人は病気でない限り毎日店に出勤して、報告を聴取したり指図したり、工場を見まわり、店や喫茶部の飾りつけに注意を与えたり、またものの決裁と人事に関するいっさいを主人自らやっていることをあなた方はよく知っている。しかし全店員と顔を合わせることはほとんど不可能です。まして私は二十年来病弱の身となり、昔のように立ち働いたり店頭に立って若い皆さんと仕事をするということは出来ない。したがって店に行くことさえも甚だ稀れになってほんとうに申し訳ないことです。

だから途中から入店した人で全然顔を見たことのないのも出て来て、毎月、月給の袋に名を書く時いつも済まない済まないと心の中にお詑びをしています。それで私は主人と相談をして、あなた方に時々宅まで来てもらって挨拶をしたり近づきにもなったり、古参の人たちとも親しみ合っておかなければ、私として安んじないのです。毎月というわけにもいかないが、店の都合のよい時に例会を催すことにしたのは、あの大震災後間もない頃であったと記憶しています。