轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
「日の出」新潮社、1937(昭和12)年10月~1938(昭和13)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 151,280 字 · 301 页
味方も味方、当の怪物の発見者の宗像博士その人であった。
「オヤ、あなた方何をしているんです。あいつはどうしたのですか」
博士の言葉に、警官達は開いた口が塞がらなかった。
「オオ、宗像先生、あなたはその部屋で、曲者をごらんにならなかったのですか。つい今し方まで、そのドアの隙間から、我々にピストルを突きつけていたんですぜ」
「僕もここにあいつが隠れていると聞いたものだから、はさみ撃ちにする積りで、入って来たのだが、入って見ると誰もいないのです。ただ、このピストルがドアの把手にぶら下っていたばかりでね」
博士はそういいながら、紐で結びつけたピストルを取り上げて、一同に示した。
「あなた方は、このピストルの筒口が覗いているのを見て、あいつ自身が、ここにいるのだという錯覚を起していたのですよ。あいつはピストルをここにぶら下げて、丁度あなた方の方に筒口が向くようにして置いて、素早く逃げてしまったのです」
人々は余りのことに、それに答える力もなく、呆然として博士の顔を見つめていた。
「しかし、おかしい。僕はもうさい前から、向うの戸口の外にいたんですが、誰もここから逃げ出すものを見かけなかった。