轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
「日の出」新潮社、1937(昭和12)年10月~1938(昭和13)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 151,280 字 · 301 页
「三重渦状紋だ、悪魔の紋章だ」
「例のいたずらですね」
「我々を嘲笑しているのだよ」
「しかし、あの骸骨や、人形の腕が、これを持っていたのは変ですね。丁度僕らの受取った札に、あいつの指紋が捺してあるというのは。……若しや、あいつ、まだこの中にウロウロしているんじゃないでしょうか」
小池助手は異様に声を低くして、じっと博士の顔を見つめた。
「そうかも知れない。君、あれは何だろう。あの藪の中にいる黒いものは……」
博士の目は、蚊帳を通して、荒屋のうしろの竹藪に注がれていた。
「エッ、黒いものですって?」
「ホラ、あすこだ。海坊主のような真黒な奴だ、まさか、こんな人の目につかぬところに、化物の人形が置いてある筈はない」
博士は、荒屋の背後の竹藪の中を、目で知らせながら囁いた。殆ど光線の届かぬ闇の中だ。そう云われて見ると、何かそこに、闇よりも濃い影のようなものが、朦朧と立っているように感じられる。
博士は刺すような眼光で、それを睨みつけている。闇の中の怪物も、身動きもせず、こちらを見つめている様子だ。蚊帳を隔てて、殆んど三十秒ほども、息づまるような睨み合いがつづいた。