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かいていごじょうほう

改訂御定法

山本 周五郎

「文藝朝日」朝日新聞社、1962(昭和37)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,422 字 · 58 页

青空文庫

二

宗兵衛は不決断に首を振った。

二

役所へは毎日出仕するが、直衛のする仕事は殆んどなく、午前ちゅういればあとは帰ってもよかった。版におろすとき稿閲を求められるけれども、責任者がちゃんといるので、彼が見る必要はない。頭取としての形式だけだから、たいていはそのまま係りへ戻すのが例であった。そんな生活では頭も躯もなまってしまう、直衛はなにかの足しになるだろうと思って、去年の夏から剣術の稽古を始めた。藩校の精士館では念流を教えてい、彼は十二歳から二十歳まで、大沼三郎兵衛についてまなんだ。太刀捌きに独特の冴えがあり、十八歳で首席に抜かれたが、そのため却って興味を失い、わざと成績を落して次席にさげられ、二十歳で退校するまでその席を動かなかった。――去年また稽古を始めたのは、退校してから十年とちょっとになるわけで、むろん一般の門人とは別科の扱いであり、教えるのも三人の助教が担当した。三日に一度ずつかよい、三十日ばかりは躯が痛んだけれど、調子が出はじめると本領があらわれ、助教たちは扱いかねるようになった。別科の稽古に来るのは、いちど精士館を出て、すでに役付きになった者が多く、躰調をととのえるくらいが目的であって、本科の若者たちはこれらを「養老組」