轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
04 第四分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 页
と、教えたり、励ましたり、慰めたりしながら進んだ。
敵の塹壕や、砦の櫓に、
「信長だッ」
声が揚る。――忽ち撃つ。
ド、ド、ド、ドッ
と、小銃、大鉄砲、つるべ撃ちに、浴びせかけた。
水面は、雨のような、飛沫に白くなった。義昭は気も萎えてしまった。――しかし、その狙撃はすぐ熄んだ。信長を撃つために、義昭を撃ってしまう危険を敵方も恐れたからであった。
信長は、義昭を楯として、北岸の洲へ、難なく躍りあがっていた。
信長、義昭につづいて。
夕陽の赤い中津川の流れを、十騎、二十騎――何十騎となく、泳ぎ渡った。
日が暮れると、兵をのせた筏も、続々と越えて行った。
「敵は、退く。――総引揚げとみえた」
三好党の塹壕からも、本願寺僧の戦線も、一斉に攻勢を展開し、ひろい闇の中には、ひッきりなし小銃の音がパチパチと鳴りひびいた。
こんど此処の合戦では、十四日の天満ノ森の衝突を除くほかは、ほとんど、鉄砲と鉄砲との撃ち合いが多かった。
従って、塹壕戦術が、用兵の上に新しい進歩を示した。
足場櫓から撃ちこむ大鉄砲のうなりも、違った音響をもって、相互の陣地をゆすぶった。
石山御坊には、信徒の献金による浄財が豊富である。