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せっしょうせき

日本の諸国物語

楠山 正雄

楠山正雄『日本の諸国物語』。同一底本的分册已合并为一书。收入:殺生石、葛の葉狐、和尚さんと小僧、長い名、鬼六、物のいわれ、赤い玉、安達が原、雷のさずけもの、白い鳥、忠義な犬、春山秋山、人馬、松山鏡、三輪の麻糸、夢占、瓜子姫子、姨捨山、山姥の話、しっぺい太郎。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,040 字 · 158 页

青空文庫

すると、そのあとから、蛙がぴょんぴょん元気よくとんで来ました。蛙はずんずん蛇を追いこして、

「蛇さん、ずいぶんのろまだなあ。おいらのしりでもしゃぶるがいい。」

と悪口をいいながら、またずんずん行ってしまいました。蛇はくやしくってたまりませんけれども、どうにもならないので、だれよりもいちばんあとにおくれて、のろのろついて行きました。蛇が神さまの前に出た時は、大抵の生き物が、それぞれ食べ物を頂いて、にこにこしながら、帰って行くところでした。神さまは、蛇がおくれて来たのをごらんになって、

「どうしてそんなに遅くなったか。」

とお聞きになりました。そこで蛇は、おなかがへって、どうにも早く歩けなかったこと、途中で蛙があとから追いついて来て、おしりでもしゃぶれといったことを残らず訴えました。すると神さまは、大そうおおこりになって、いったん帰りかけた蛙をお呼びもどしになりました。そして、蛇に向かって、

「蛙がおしりをしゃぶれといったのならかまわない。これから、おなかのへった時には、いつでも蛙のおしりからまるのみにのんでやるがいい。」

とおっしゃいました。そこで蛇は大そうよろこんで、いきなり蛙をつかまえて、おしりからひとのみにのんでしまいました。