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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
楠山正雄『日本の諸国物語』。同一底本的分册已合并为一书。收入:殺生石、葛の葉狐、和尚さんと小僧、長い名、鬼六、物のいわれ、赤い玉、安達が原、雷のさずけもの、白い鳥、忠義な犬、春山秋山、人馬、松山鏡、三輪の麻糸、夢占、瓜子姫子、姨捨山、山姥の話、しっぺい太郎。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,040 字 · 158 页
三輪の麻糸
一
むかし神代のころに、大国主命の幸魂、奇魂の神さまとして、この国へ渡っておいでになった大物主命は、後に大和国の三輪の山におまつられになりました。さて、その山を三輪山というについて、こういうお話が伝わっています。
ある時大和国に、活玉依姫という大そう美しいお姫さまがありました。
この活玉依姫の所へ、ふとしたことから、毎晩のように、大そう気高いりっぱな若者が、いつどこから来るともなくたずねて来ました。そのうちに、とうとう若者は、お姫さまのお婿さんになりました。
間もなくお姫さまには子供が生まれそうになりました。ところで、そのお婿さんははじめから、夜おそく来ては、夜の明けないうちに、いつ帰るともなく帰ってしまうので、お姫さまのほかには、だれもその顔を見知ったものもありませんし、どこのだれだということは、お姫さますら知りませんでした。
二
お姫さまのおとうさまとおかあさまは、ふしぎに思って、どうかしてそのお婿さんの正体を見届けたいと思いました。そこである日お姫さまに向かって、
「今夜お婿さんの来る前に、部屋にいっぱい赤土をまいてお置き。