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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
田中貢太郎『日本怪談大全 第一巻 女怪の館』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟇の血、赤い土の壺、赤い花、馬の顔、切支丹転び、藤の瓔珞、草藪の中、仙術修業、頼朝の最後、雪の夜の怪、港の妖婦、神仙河野久、文妖伝、女賊記、春心、岐阜提灯、女の首、女の怪異、妖影、牡蠣船、雑木林の中。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 页
※(ローマ数字9、1-13-29)
広巳はまたよろよろと体をさした。広義はまた驚いた。
「痴、叔父さんの痴、痴」
広義は広巳の顔を平手でばたばたと叩いた。それには広巳が困った。
「痛い、痛い、降参、降参」
「厭だい、厭だい、痴」
広義は嬌ったれて泣き声をたてた。広巳は広義の足にやっていた手をはずしてその両手を捕えた。
「降参、降参、降参だよ」
「厭だい、厭だい」
広義は手を動かすことができなくなった。
「どうだい、もう動けないだろう」
「動けるのだ、動けるのだ」
広義は体をもがいた。
「ほんとに、叔父さんがくるしいじゃないの、おりなさいよ、それに今日は、まだ復習をしないじゃありませんか」
「厭だい、厭だい」
「この坊主、どこかへおっぽり出せ」
広巳は何かを払い落すように叫ぶなり、ぐるりと体の方向をかえて井戸の方へ走りだした。
※(ローマ数字9、1-13-29)
「もし、もし」
おっとりした女の児の声がしたので広巳は足をとめて後を見た。十四五ぐらいに見える二人の少女が右側の生垣のある家から出て来たところであった。少女だちは同じように紫の矢絣の袖の長い衣服を被ていた。広巳は知らない女の児のことであるから、他の人を呼んでいるのだろうと思ってそのまま往こうとした。