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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
田中貢太郎『日本怪談大全 第一巻 女怪の館』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟇の血、赤い土の壺、赤い花、馬の顔、切支丹転び、藤の瓔珞、草藪の中、仙術修業、頼朝の最後、雪の夜の怪、港の妖婦、神仙河野久、文妖伝、女賊記、春心、岐阜提灯、女の首、女の怪異、妖影、牡蠣船、雑木林の中。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 页
「心配することは、家にいる妖怪じゃ、乃公は大丈夫だよ」
定七は笑った。
「家にいる妖怪って、お宅には妖怪なんかおりませんよ、それよか、二日も三日も、どこにいらしたのです」
「妖怪を退治することを考えたり、妖怪を探したり、あっちこっちしてたのだよ」わざとらしく笑って、「蛇さまを拝みにでも往くのか」
「なに、へんな奴が」と云いかけて思いだして、「ちょうどいい、若旦那も往ってください、今、へんな壮士のような奴が二人来たので、旦那さまから呼びに来て往くところです、貴方も往ってください。きっと強請か何かだろうと思います」
「壮士のような奴が二人来た」
「だから往ってください」
「めんどうだよ」
「そんなことを仰しゃらないで、往ってください、旦那さまは、気がお弱いから、きっと困ってるのですよ」
「そうか」
広巳もそうしたばあい、いやとも云えないので往く気になった。定七はその顔色を見てとった。
「それじゃ、往ってください」
定七は広巳を伴れて母屋へ往き、玄関からそっとあがって次の室へ往った。その時客座敷では、松山が黙りこんでいる広栄を叱りつけていた。
「おい、何か云わないのか、俺だちが義侠心を出して、家庭を粛正してやろうとしてることが判らないのか、痴」