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にっき
日記
宮本 百合子
10 一九二四年(大正十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,778 字 · 82 页
十一月五日
十一月六日
十一月七日
十一月九日
十一月十日
又あったとしても経済上一軒は持てそうもないから山岡の二階にしようと殆どきめた。)
十一月五日 水
両親、八時の特急で奈良の正倉院拝覧にゆく。ステーションまで見送る。たしかに三上の息子と思われる男が来て居、自分の噂をした、相変らず下等ないやな顔をして居る。かえりに電車で牛込に廻る。彼女まだ床の中。起き、銀座にゆく、四時すぎ帰宅。今度の留守番は、忠実にやるつもりだ。先、安積で祖母が湯浅さんに会ったことは、母の面目上気の毒千万であったから。
十一月六日 木
夜、おそくなることは出来ないから、朝九時頃から引越しに必要な買ものに出かける。
湯浅さんがいろいろ面倒を見、経済でゆくようにとやってくれるので助る。
十一月七日 金
やはり買いもの。
十一月九日 日
一日在宅。
十一月十日 月
仔細に見ると、Aと湯浅さんと似て居るところ、沢山あるのだ。我ままさだって。それだのに自分がAとやって行けなかったことを考え、沁々と、淋しく、悲しく思う。思うことだが、人間の生活は、情だけでは行かない。Aは、自覚して、持つ情を正当に活かす智が足りなし、自分はそれを導いて育てる力がなく我ままでもあったし、女性らしい偏狭さに満ちても居たし、なのだ。