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かいていたいりく

海底大陸

海野 十三

「子供の科学」1937(昭和12)年4月~1938(昭和13)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,400 字 · 179 页

青空文庫

そして一せいに眼をかがやかせて、広い川面の方へつまさきをのびあがらせるのだった。

ぽー ぽぽー。

汽笛が鳴った。

「あっ、メリー号がかえってきた」

「あっ、あそこだ。見える見える。メリー号のマストがおれていらあ」

メリー号の前後には、救助にいった潜水艦や駆逐艦が護衛し、また空には空で、ラスキン大尉のひきいる派遣空軍が、うつくしい編隊をつくって舞っていた。

「クイーン・メリー号、ばんざーい」

「ばんざーい」

待ちくたびれて不平をいっていた群衆も、いまはすいこまれたように、メリー号の方にのびあがり、さかんに黄色い声をおくった。

だが、クイーン・メリー号の、なんと変りはてた姿よ。

ほばしらは折れ、船側はくぼみ、通風筒はみにくくまがり、見るもむざんな姿であった。

船体を三色にそめていた美しいペンキは、すっかり赤はげにはげて、まるで鉄屑置場からひっぱりだしたように見える。

しかし、船内からありったけの万国旗をひっぱりだし、ほばしらから、ほばしらへはりめぐらして、せめて海の女王の身だしなみを見せようというのであったが、その万国旗も、多くははげたりよごれたり破れたりしていて、見ている者をして思わず涙ぐませた。