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かいていたいりく
海底大陸
海野 十三
「子供の科学」1937(昭和12)年4月~1938(昭和13)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,400 字 · 179 页
「船がすこしもゆれていないぞ。――うわーッ、海はどこかへ行っちまったッ」
船客たちの怒号が、だんだんはげしくなっていった。
「海がどこかへいってしまったって? そんなばかなことが……」
甲板へはいだしてきた事務長クーパーは、それを聞きとがめた。
「フン、うちの船客は気がちがったらしい。海の上を走っているのに、海がどこかへ行ってしまったなんて……」
と、いいかけて、クーパーはハッと息をとめた。
「ありゃりゃ。海の音が聞こえないぞ。これはひょっとすると、ほんとうに海がどこかへ行っちまったのかもしれない。だけど、誰がそんな奇蹟を信じるものか」
クーパーはしきりに目をぱちぱちやっていたが、そのとき背後からかれの名をよぶものがあった。
「事務長はいませんか。電話です。電話ですよ」
それは秘書のマルラの声だった。クーパーはその声のする方に、またゴソゴソ四つンばいになって近づいていった。ところが、頭をイヤというほどマルラの頭にぶつけてしまった。マルラも同じように、ゆかの上をカニのようにゴソゴソはいまわっていたのだった。
「事務長、機関部から電話です。一こくも早くあなたを電話口へ呼んでくれといっています」