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かいていたいりく

海底大陸

海野 十三

「子供の科学」1937(昭和12)年4月~1938(昭和13)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,400 字 · 179 页

青空文庫

「おお、マルラ。見える見える。そこに、つったっているのはおまえじゃないか」

「ああ、事務長。わたしも見えますよ。あなたはパイプをくわえておいでですね。ああ、ありがたい、眼が見えだすなんて」

これを聞いていたパイクソンは、

「おお、するとこれは、さっきモルフィス船医長の処方でこしらえた薬がききだしたんだな」

と、うれしそうにいった。

モルフィス医師は、船内でただひとりの眼のきく男パイクソンのたすけをかりて、これぞと思う解毒剤を作ったのであった。もちろん、かれが口でいう処方どおりに、パイクソンが、たなから薬びんをさがし、はかりにかけて作ったものであった。

その薬は、わずかに五十人分しか出来なかった。あとは薬がたりないのであった。

クーパーの命令で、その五十人分の薬を、船を動かすに必要な船員にだけのませたのであった。お客さまの方は、あとまわしにするよりしかたがなかった。

その薬が、いよいよききだしたのである。クーパーたちの喜びは非常なものであった。目さえいくらか見えるなら、この災難からなんとかして、逃げだす手段が見つかるだろうと思ったからであった。

そのとき、電話のベルがチリチリチリンと鳴りだした。