轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たきぐち

滝口

山本 周五郎

「小説新潮」新潮社、1963(昭和38)年11月〜1964(昭和39)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,815 字 · 99 页

青空文庫

――ここから川下の宇木野では、いまでも昼夜ぶっとおしで川普請が続けられている。工事人足の過半数はよそから来た者だというが、交代して休む者のため、特にその屋台店が許されたのだそうで、工事に関係のある者以外は、そこでの飲食を禁じられていた。益村安宅はその端の店へはいった。客は誰もいず、六十あまりの老人がたばこをふかしながら、人をこばかにしたような顔つきで腰掛けていた。

「あつ燗が二本」と安宅は指を二本立ててみせながら云った、「肴はいらない」

老人は唇を歪め、無遠慮に安宅の恰好を見あげ見おろしてから、きせるをはたいて、お武家さんですねと云った。

「ああ、川普請の係の者だ」と安宅はあっさりと云った、「ばかに静かじゃあないか」

「あいのときといいましてね」老人は酒を徳利に移し、湯のたぎった銅壺へ入れた、「交代と交代のあいのときなんです、もう半刻もすればこの十三の屋台店がくまん蜂の巣みたようになっちまいます、――お武家さんは知らねえんですか」

「ここへ来るのは初めてなんでね」

「何番方へお詰めですか」

「やぼな吟味をするじゃないか」

「お取締りがきびしいもんですからね」

「そいつはいい心掛けだ」