轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

「夕刊大阪新聞」1934(昭和9)年8月7日~12月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,496 字 · 368 页

青空文庫

――ということであったのだけれど、途中でそれを変更し、ともかくも南側の口からはいって、洞窟内のありさまを、見られる限り見ることにしよう――ということに一決し、松明なども数本こしらえ、こうしてはいって来たのである。

「なるほど、枝道が無数にござるな」

兵庫は云って右内を見た。

「まだまだ枝道は沢山あります」

「空気に変わりはないようで」

「まだ大丈夫でございます。空気に毒素が加わるのは、まだまだずっと奥のことで」

云い云い二人は進んで行った。

その後から三十郎はついて行った。

と二人は左へ曲がった。

「そこで我輩も左へ曲がると」

こんなことを呟いて三十郎も、左の方へ曲がろうとした。

と、正面の遙か向こうから、松明の光が見えて来た。

「やッ」

と思わず三十郎は云った。

「また松明の火が見える! ……すると二組の人間が、この洞の中にいるのだな」

(これは大変だ)

と三十郎は思った。

(競争相手が二組となった……どっちみち何者か探って見なければならない)

で、三十郎は枝道の一つへ、体をかくして窺った。

やがてその前を松明を持って、二人の男女が通って行った。

「ウーム」

と三十郎は思わず唸った。