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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)

粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

三遊亭 円朝

02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页

青空文庫

ことで他出致しました、御用向がございますならば明日願いますといって……宜いか」

と是から瓢箪に酒を入れ、残菜入に有合せのものを詰め、身支度をいたし、清助という百姓の案内で、少し遅くなりましたけれども真間の根本をなだれ上りに上って参ると、総寧寺の大門までは幅広の道で、左右は大松の並樹にして、枝を交えて薄暗きところを三町ばかりまいりますると、突当りが大門でございますが、只今はまるで様子が違いましたが、其の頃は黒塗の大格子の大門の欄間は箔置にて、安国山と筆太に彫りたる額が掛っておりまする、向って左の方に葷酒不許入山門とした戒壇石が建って居りまする。大門を這入ると、半丁ばかりは樹木は繁茂致して、昼さえ暗く、突当りに中門がございまするが、白塗りにて竜宮の様な妙な形の中門で、右の方はお台所から庫裏に繋っており、正面は本堂で、曹洞派の禅林で、安国山総寧寺と云っては名高い禅寺でございます。

百姓「玄堂さん/\、此間頼んで置いた根本の荒物屋の老爺さまを連れて来たから、玄堂さん案内して上げておくんなせえ」

玄「イヤ勝手に這入って往きなさい」

百「案内は出来ねえかえ」