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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页
二十一
大野惣兵衞と云うものでございますが、幼年の折から何うも心掛けが善くないため、遂にお屋敷をお暇になりました。斯く追放仰付けられたのも、稻垣小左衞門が殿さまへ申し上げたことがあるに依って、己がお暇になったと、飽までも稻垣を怨んで居りまする。これを遺恨に只今稻垣を鐘ヶ淵から突落しましたが、小左衞門の死骸が市川へ落入ったか落入らないか夕霞が深く立って、頓と分りませんから、膝に付いた泥を払いながら跡へ退ると、百姓が慄え上ってブル/\して居りまするを見て、
侍「これ、これ」
百「ハイ真平御免なせえ」
侍「其の方は先程からそれに居ったか」
百「ハイ先刻から此処に居りました、真平御免なせえまし、ハイ」
侍「イヤ何うもしやせん、少々遺恨有って斯く致したことであるが、必ず此の事を口外致すな」
百「ハイ口外致しません」
侍「コレ/\一寸と此処へ来い」
百「ハイ/\」
とブル/\慄えながらまいる。
侍「其の方は泳ぎを存じて居るか」
百「ハイ、ここ此の村で生立ちましたから、少けえ時分から新利根川へ這入っちゃア泳ぎましたから、泳ぎは知って居やす」
侍「左様か、もう少し傍へ来い、少し申し聞ける