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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页
八
のは稀で、其の音古雅にして、上手な人が吹きますと修行者とは思われませんような音色でございます。
八
母「これ常吉や、あの修行者に私は手の内を上げましょうよ」
女房「通ってお呉んなせえよ、銭は出ないよ」
母「いえ私が上げますから」
と云いながらお捻りを拵えて小僧に渡す、小僧はこれを持って参り、障子を明けると鼠無地の道行振のようなものを着て、下は木綿か紬か分りませんが、矢張鼠無地の小袖でございます、端折を高く取って木剣作の小脇差を差し、二十四節の深編笠を冠り、合切嚢を斜に掛け、鼠の脚半に白足袋に草鞋で、腰に大きな包を巻き附けて居ります、極く人柄の好い服装の拵え、品格のよろしい修行者でございます。
母「何うぞ其処から上げておくれ」
小「へえ、お修行を上げますよ」
とお捻りを手に渡すと、修行者は手に報謝を受けながら、笠の内から暫く覗いて居りましたが、お捻りを懐に入れて編笠を脱ぎ、右手に提げながらズッと中へ這入って来たのを見て驚きましたというは、此の人は金森家で四百五十石頂戴致した稻垣小左衞門の嫡子小三郎と云うもので、とって二十三歳、色白くして鼻筋通り、口元の締った、眼のきりッとした