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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)

粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

三遊亭 円朝

02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页

青空文庫

六

小「掛けても致し方がない、それまでの事だ、マア宜い、年来馴染であったが、これがもう手前の顔の見納めになるかも知れん…どうも仕方がないから直ぐに帰りましょう」

と心ある侍ゆえ少しも荒い小言も云わず、覚悟を極めて屋敷へ帰りまして、是からお届けになるという、一寸一息吐きます。

六

引続きます、粟田口國綱の事からして主人の難儀になると思い、入水致して相果てようとした重三郎を仙太郎が助け、舁夫の安吉を連れまして宅へ帰り、其の晩二人を泊めましたが、仙太郎の女房お梶には何事だか頓と分りません。翌朝になりますと、舁夫の安さんは知らん処へ泊ってきまりが悪いから早く起き、寝衣のまゝで水を汲んだり表を掃いたり、掃除の手伝を致して居ります。

梶「ちょいとあにさん、昨宵泊った人は何に」

仙「あれか、一人は深川の万年町の刀屋の番頭さんだ」

梶「あの、もう一人の裸体で働いてる人は何に」

仙「あれは辻駕籠の安という者だ」

梶「あの人は水を汲んだり板の間を拭いたり、キョト/\間の悪そうな顔をして働いてるよ……申し安さんとか、もう宜いから足を洗って此方へお上んなさいなねえ」

仙「おい安さん此方へ来ねえ」