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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页
三十一
正「若がってるんですから、婆アと言われるのを厭がってるんで」
伊「今日は船橋の海老屋へ泊ろうか」
正「あなたは途中でお買物を成すったので、清八どんですか、大きな釜を提げて重たがってますぜ」
伊「師匠、彼れは葮簀張の茶見世に居た道具屋のハタ師が持っていたんだが、彼が真物なら強気と儲かるぜ」
正「へえ、なんでございます」
伊「おいらの眼が届かねえか知らねえが、話には聞いてる、これが蘆屋の姥口の釜と云って、織田信長から柴田が拝領したという釜なら、どんな事をして捨売りにしても五百両がものは有る、旨くいけば少なくっても何百両にはなるだろうと思うのだ」
正「へえ是はどうも恐れ入りやしたな、幾らでお買いなすったえ……一両二分で買ったものが五百両になれば、これは大したことでございますねえ」
伊「真物でなくっても筋が宜い釜だから屹度儲かる積りだ」
三十一
正「旦那なんざア違いますね、一寸休んで煙草を喫んだり何か為てえる内に、お目が利いてるもんだから、此のくらいな掘出し物をなさる事があるんですが、本当にこれが五百両になれば不動様の御利益ですね、儲かったら釜の祝いと云って仕着をお出しなさいな、羽織の紋や何かに釜はいけませんな可笑しい、釜屋堀*の六右衞門さんの家の仕着見た