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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页
長「大変な訳です、素人の時分からあなたに岡惚で、此の三月の節句から仲の町へ出ると云うんで」
番新「あら長次はん、何んだねえ若旦那へ智慧エ附けてさ、憎らしいよ、花魁が心持が悪いよ、大きな声で云いなましなね」
長「大きな声では云われんことだ、質店の若旦那だから」
と瞞かしながらまた小声で、
長「後生お願いだから後で何んな御馳走でもしますからってヤイノ/\でしょう」
番新「なにを智慧エ附けるんだよ、長次はんコソ/\話などをして」
と云ってる処へ櫻川正孝という幇間が襖を明けて這入って参りました。
伊「いや師匠待ってたよ」
長「正孝さん遅いじゃアねえか」
正「これはどうも、へい、花魁御早く御上りなさいまして、前夜は仲通りさんの相変らずの癖でしょう、大きいので続けて五杯遣ったので大変に酔っちまって、大きに失礼を致しました、そろ/\何か取掛りやしょうか」
長「なに師匠一寸此方へおいでよ」
正「若旦那此の間此の親方が、旦那遊びをするってんで、安尾張か稲弁へ往こうというのですが、可笑い何んだッて、長次さんの踊を始めて見ました、変な形の踊りでしたが、あのぼってりしてえるのは余程親方に初会惚れですぜ」