轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
01 上巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 150,580 字 · 287 页
二十五
「僕かて、雪子ちゃんがそないにまで東京を厭がってるとは思てえへんなんだ」
「結局、兄さんと一緒にいてるのんが厭なんでッしゃろか」
「それもあるかも知れん」
「そうか、悦子に会いたいのんか、―――」
「それやこれや、いろいろやろうな。もともと雪子ちゃん云う人が、東京の水に合わん人や」
幸子は、雪子が幼い時分から辛抱強く、どんなにつらいことがあっても口には出さないで唯めそめそと泣いてばかりいたことを思い出したが、今も机に凭って忍び泣きをしている妹の姿が、眼に見えるような気がした。
二十五
悦子の神経衰弱は、鎮静剤として折々臭剥を飲ませる外には食餌療法に依っていたが、脂っこい物でも支那料理なら好んで食べることが分って、栄養分を取るようにしたのと、冬になって脚気が直ったのと、学校の先生が学課の方を気にしないで健康を取り戻すように諭してくれたのと、いろいろのことが効を奏して案じた程でもなく良くなって行った。で、助け船を呼ぶ必要はなくなってしまった訳であったが、幸子は東京の話を聞いてからと云うもの、どうしても一度雪子の顔を見ないことには気持が治まらなくなっていた。
今になって考えると、あの、富永の叔母が掛合いに来た日、自分はあまりにも雪子に冷酷な仕打をし過ぎた、自分はああ云う風に命令的に、追い立てるようにすべきではなかった、妙子に