轻松读懂日语经典作品
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
冬の夜の学習室
とまた手をたたく。
「なるほど人間同志だから人ベンか。ハッハハハハ」
と堀口生は笑っていた。以前はおこったものだが、大分りこうになった。
先生がはいってきた。習字の土井さんでナカナカのやかまし屋だ。むずかしい顔をして、黒板をふき清めて、
「諸君、落書きをしちゃいけませんぞ」
冬の夜の学習室
花岡伯爵家の学習室は安斉先生ががんばっているといないで空気がちがう。他の先生がたばかりだとはなはだ楽だ。ご長男の照正様が時計を見上げて、
「先生、今晩はこれだけに願います」
と申し出れば、一も二もない。先生がたは、
「それではこれまでといたしましょう。よくご精が出ました」
といって、おじぎをする。しかし安斉先生が控えていると、皆一生懸命だ。若様がたもゆだんがならない。ちょっとわき見をしても、
「エヘン」と来る。
「エヘンエヘン。散乱心を戒めてえ」
安斉先生のおっしゃるとおりにすると、少しも息をつく間がない。学期初めには、
「若様がた、学期は初めが一番大切でございますぞ。第一週のご勉強が第二週の基礎になります。第二週のご奮発が第三週の土台になります。第三週をご辛抱なさると、それから後は習い性となって、行路坦々、ご自習が苦になりません」