轻松读懂日语经典作品
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
矢場の息子、玉ころがしの息子、改良剣舞の息子……」
と安斉先生は三十年昔の下等なものを枚挙した。
「先生、そんなものはきていません」
「いや、新橋ステンショの下等待合室と思わなければなりません」
とどこまでも三十年前だ。その頃は汽車の等級が上等中等下等とわかれていたのである。
「しかし身分が相応で成績がよければ若様のおためになると存じます」
「それはどうせ教室で机をならべているんですから、詮議の余地のないことはありません。大ぜいですか?」
「いつか蜂の巣を見にきた高谷君と細井君とそれから級長の松村君です」
「何様のご家来ですか?」
「細井君のところは三井様のご家来らしいです」
と正三君はほほえんだ。
「三井様という大名はない」
「三井銀行へ出ているんです」
「それなら銀行員です。浮浪人よりもよろしい。もう一人は何様のご家来ですか?」
「白木様のご家来です」
とまたまた窮策だった。
「白木様? これも聞いたことのない大名ですな」
「白木屋の店員です」
「内藤君はナカナカやるな」
と安斉先生は笑いだした。
「先生、会社員や銀行員ではいけませんか?」
「せっかくですが、もう少し身分がはっきりしないと困りますな?」