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ごじゅうのとう
五重塔
幸田 露伴
「国会新聞」1891(明治24)年11月~1892(明治25)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,316 字 · 111 页
びにひやひやさせまする、お蔭さまで一人前にはなっておりましてもまだ児童のような真一酷、悪いことや曲ったことは決してしませぬが取り上せては分別のなくなる困った奴で、ハイハイ、悪気は夢さらない奴でござります、ハイハイそれは御存知で、ハイありがとうござります、どういう筋で喧嘩をいたしましたか知りませぬが大それた手斧なんぞを振り舞わしましたそうで、そうききました時は私が手斧で斫られたような心持がいたしました、め組の親分とやらが幸い抱き留めて下されましたとか、まあせめてもでござります、相手が死にでもしましたら彼めは下手人、わたくしは彼を亡くして生きて居る瀬はござりませぬ、ハイありがとうござります、彼めが幼少ときはひどい虫持で苦労をさせられましたも大抵ではござりませぬ、ようやく中山の鬼子母神様の御利益で満足には育ちましたが、癒りましたら七歳までにお庭の土を踏ませましょうと申しておきながら、ついなにかにかまけてお礼参りもいたさせなかったその御罰か、丈夫にはなりましたがあの通りの無鉄砲、毎々お世話をかけまする、今日も今日とて鉄五郎様がこれこれと掻い摘んで話されました