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だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
坂口安吾『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:堕落論〔続堕落論〕、悪妻論、意慾的創作文章の形式と方法、インチキ文学ボクメツ雑談、咢堂小論、教祖の文学、戯作者文学論、デカダン文学論、文章の一形式、武者ぶるい論、文字と速力と文学、余はベンメイす。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,198 字 · 171 页
七月二十二日
原稿に向う。岡本の金談のこと。岡本の媚態のこと。どうしてこんな風になるのだろう。とても苦しい。岡本の媚態も汚らしく不潔で、なんとも厭だけれども、こんなに汚され、いためつけられ、弄ばれている、素子の肉体が、肉体のもろさが、あんまりだ。どうしてこんなになるのだろうか。まるで、なんだか、ただ、もう、一途に、憎しみをこめて、復讐しているような意地の悪さではないか。どうして、こうなるのだ。そんな意図は微塵もないのに、どうしても、こうなる。筆を投げずにいられなくなる。一句書いては、ひっくりかえって目をつぶり、三十分もたって、又一句書くというぐあい。どうにも、書きたくない気持がする。たった一枚半。
七月二十二日(晴)
猛暑。暁鐘の沖塩徹也君来訪。会ったのは始めてだが、私の親しい友人達の同人雑誌にいた人で、名前はよく知っている人。支那で八年も兵隊生活させられたという運の悪い人で、その生活を二時間ばかり語って帰る。九月一杯だったら短篇書く約束する。
私はどうも、書くのが苦しい。私は岡本の卑しさが厭なのだが、谷村は、その岡本をともかく、芸術家の面白さがあるじゃないかという。