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せんそういがくのおじょくにふれて
戦争医学の汚辱にふれて
平光 吾一
――生体解剖事件始末記――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,206 字 · 24 页
人肉試食事件の真相
彼の性格には直情径行といった一面があり、寧ろ私は彼の本性がそうさせたのだといいたい。
かくして、石山教授が執刀者となり、小森軍医がこれを補佐して、生体実験は開始され、石山外科に属する諸君は、看護婦をも含めて大概この事件に連坐させられることになったのである。
人肉試食事件の真相
ところで、九大事件を語るとき、そこに見逃すことの出来ない大きな問題が一つ残されている。それは、この事件に連坐したわれわれを世間の人々がより一層白眼視し、さらにわれわれを裁く米軍人の心象を一段と悪化させたところの人肉試食事件であった。これを弁護側は切りはなして独立の裁判にしようとしたが、法廷は採用しなかった。
検事は被告席に坐るわれわれ一同を指さして、鋭くこういった。「生きた人間を解剖すること自体、絶対に許されざる非人道的行為であるにも拘らず、その犠牲者の屍体の一部を切除した上、その肉塊を平気で食べるなど、まさに鬼畜の所業である。彼らは人皮を被った怖るべき動物たちなのだ……」―と。
この人肉試食事件も、私は法廷に出て初めて知ったわけだが、起訴状によれば第一回目の手術が行われた際、小森軍医が死亡した捕虜の肝臓を切り取り、洗面器に入れて勤務先の偕行社病院に持参すると、醤油で調味させたうえ食堂に運び、居合せた軍医たちに試食をすゝめ、自らそれ