轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

01 第一分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,256 字 · 361 页

青空文庫

「我に、仕えたいというか」

「はい」

「して、汝は、何の能やある」

「何の能もございませぬ」

「何の能もなく、主取りして、何をいたそうと思うか」

「事ある時、死なんと思うのほか、べつによき能も持ちませぬ」

信長は、すこし気に入ったらしく、口ばたに、笑くぼを作った。――それからなお、じっと、見直して、

「よしッ。――したが其方はただ今、我を目がけて、わが君と、再度まで呼ばわったが、信長はそちを、家来とゆるしたことはない。そちもまた、召仕われぬ身で、何故、我をわが君と呼ばわったのか」

「御領土の下に生れ、日頃からまた、仕えるなら彼の御方と、胸に思い込んでおりましたため、つい、口にも出たものと思われます」

信長は大きく頷いた。そして、市川大介を顧みて、

「大介」

「はあ」

「おもしろいぞ、この男」

「いかさま」

大介も苦笑した。

「望みにまかせ、拾うてくれよう。日吉とやら、きょうより出仕せい」

「…………」

日吉は、声がつまって、咄嗟にその欣びを、口に出せなかった。

行列の武者たちは、

「また、わが殿の、物好きな」

と、驚いた顔したが、その中へ日吉がのこのこはいって来たので、

「おい、もっと、列の後の方に従け。