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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
楠山正雄『日本の諸国物語』。同一底本的分册已合并为一书。收入:殺生石、葛の葉狐、和尚さんと小僧、長い名、鬼六、物のいわれ、赤い玉、安達が原、雷のさずけもの、白い鳥、忠義な犬、春山秋山、人馬、松山鏡、三輪の麻糸、夢占、瓜子姫子、姨捨山、山姥の話、しっぺい太郎。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,040 字 · 158 页
おばあさんは、囲炉裏にまきをくべて、暖かくしてくれたり、おかゆを炊いてお夕飯を食べさせてくれたり、いろいろ親切にもてなしてくれました。それで坊さんも、見かけによらないこれはいい家に泊り合わせたと、すっかり安心して、くり返しくり返しおばあさんにお礼をいっていました。
お夕飯がすむと、坊さんは炉端に座って、たき火にあたりながら、いろいろ旅の話をしますと、おばあさんはいちいちうなずいて聞きながら、せっせと糸車を回していました。そのうちだんだん夜が更けるに従って、たださえあばら家のことですから、外の冷たい風が遠慮なく方々から入り込んで、しんしんと夜寒が身にしみます。けれどあいにくなことには、炉の方の火がだんだん心細くなって、ありったけのまきはとうに燃やしつくしてしまいました。
おばあさんはふと坊さんの寒そうにふるえているのを見つけて、
「おやおや、まきがみんなになりましたか。お客さまがあると知ったらもっとたくさん取っておけばよかったものを、気のつかないことをしました。どれどれ、ちょっと裏の山へ行ってまきを取って来ますから、お坊さま、しばらく退屈でもお留守番をお頼み申します。