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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
田中貢太郎『日本怪談大全 第一巻 女怪の館』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟇の血、赤い土の壺、赤い花、馬の顔、切支丹転び、藤の瓔珞、草藪の中、仙術修業、頼朝の最後、雪の夜の怪、港の妖婦、神仙河野久、文妖伝、女賊記、春心、岐阜提灯、女の首、女の怪異、妖影、牡蠣船、雑木林の中。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 页
「なにかおありになったのですか」
「あったとも、今話すがね、こんな雪の降りだした晩だよ」
「へえ」
お幸ちゃんは気になるのか顔を引締てしまった。私も好奇心を動かした。
「何かあったのですか」
私はとうとうその男に声をかけた。
「えらい目に逢ってるのですよ、だから雪が降りだすと、私はこれから庚申塚の方へ往かなくちゃならないが、もうよしたのですよ」
「そうですか、どんなことですか」
私はこっちへ来いと云いたかったが、時どきとんでもない奴にひっかかってひどい目に逢っていて、はじめての人とはいっしょにならないことにしているので云わなかった。彼はまた一ぱい飲んだ。
「いや一昨年のことなのですがね」
彼は私の方へ体を向けたのであった。
「暮でしたよ、親方の用事で、品川へ用達しに往って、わたしは尾張町にいたのですよ、親方の用事で五時比から往ったのですが、八つ山の飲み屋で一ぱいやってるうちに、遅くなって、いっそ遊んで、朝、帰ろうと思ったのですが、それがみょうですよ、やっぱりどうかしてたのですよ、そこは時どき往ってますから、婢も知ってるのですよ、お千代と云う婢が、
(おたのしみね)