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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
田中貢太郎『日本怪談大全 第一巻 女怪の館』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟇の血、赤い土の壺、赤い花、馬の顔、切支丹転び、藤の瓔珞、草藪の中、仙術修業、頼朝の最後、雪の夜の怪、港の妖婦、神仙河野久、文妖伝、女賊記、春心、岐阜提灯、女の首、女の怪異、妖影、牡蠣船、雑木林の中。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 页
しかし、その後数回万彦がやって来るので気をつけて見たが、別に河野と己との関係を知っていそうにもないので、ある日、宮地翁は万彦に向って河野の話をして聞かした。
「あなたは、この間、河野久のことを話しておられたが、河野のことを御存じですか」
万彦は無論河野のことは知らなかった。宮地翁は河野の書いた「真話」と木村知義の書いた「至道物語」を出して見せた。万彦は驚いて尊へ送る手紙の端にそのことを書いてやったが、神職講習会が終って帰郷すると、尊に会って河野のことを詳しく話した。尊は神界へ伺いをたててその後の河野のことを訊いた。河野は吉野山の仙境に住んでいて時どき熊山の仙境に往来しているとのことであった。宮地翁はこれに対してこう云うことを云った。
「茲に於て私の考えておりましたとおり至道の死去は、その実普通の死去でありませんので、前に申しました漢の李少君や、我国の白箸翁の類で、全く屍解の仙去であったことが明白になりました。これにて神仙の存在は甚だ確実なることが証せられると思います。実は私の本朝神仙記伝に載せました事蹟の中にはこの伝よりも余程面白き奇談もありますけれど、この河野は第一私の直接面会したものでありまして、またこれを証明いたしました太美万彦氏も、今日にては安仁神社の宮司に進みて、現職の人であります故、最も慥かな話