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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
田中貢太郎『日本怪談大全 第一巻 女怪の館』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟇の血、赤い土の壺、赤い花、馬の顔、切支丹転び、藤の瓔珞、草藪の中、仙術修業、頼朝の最後、雪の夜の怪、港の妖婦、神仙河野久、文妖伝、女賊記、春心、岐阜提灯、女の首、女の怪異、妖影、牡蠣船、雑木林の中。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 页
そこは狭い門燈もぼつぼつしかない暗い横町であった。政雄はそこで声をかけようと思ったが、女が何か憚っているような風であるから黙って跟いて往った。
街路の左右に櫟林を見るようになった。政雄はもう人家が無くなるだろうと思っていると、街路の右側に石の新らしい鳥居に電燈を一つとりつけてあるのが見えた。政雄の縦な心が高ぶっていた。政雄は女にぴったり寄った。
「静な処じゃありませんか」
政雄はそう云って女に云いよる糸口を作ろうとした。と、女は鳥居の方へ一足折れながら揮り返った。細面の女の顔には大きな長い舌がだらりと垂れていた。政雄はわっと叫んで逃げ出した。
政雄は発狂して町の中を駈け歩いている処を警官に見つかって警察の保護を受け、精神病院の施療室へ送られた。政雄が発狂してから数日して、菊江の両親の許を得て初めて菊江の家を訪問した壮い会社員は、己の下宿の近くの雑貨店の二階を借りていた男が、女の怪異を見て発狂したと云う話をしたので、菊江は褐腐の奇計を話して笑った。