轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほんじょりょうごく
本所両国
「東京日日新聞」1927(昭和2)年5月6日〜22日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,005 字 · 43 页
唯僕等の明治時代はまだどこかに二百年間の「風流」の匂いを残している。けれども今は目のあたりに、――O君はにやにや笑いながら、恐らくは君自身は無意識に僕にこの矛盾を指し示した。
「カルシウム煎餅も売っていますね。」
「ああ、あの大きい句碑の前にね――それでもまだ張り子の亀の子は売っている。」
僕等は「天神様」の外へ出た後「船橋屋」の葛餅を食う相談した。が、本所に疎遠になった僕には「船橋屋」も容易に見つからなかった。僕はやむを得ず荒物屋の前に水を撒いていたお上さんに田舎者らしい質問をした。それから花柳病の医院の前をやっと又船橋屋へたどり着いた。船橋屋も家は新たになったものの、大体は昔に変っていない。僕等は縁台に腰をおろし、鴨居の上にかけ並べた日本アルプスの写真を見ながら、葛餅を一盆ずつ食うことにした。
「安いものですね、十銭とは。」
O君は大いに感心していた。しかし僕の中学時代には葛餅も一盆三銭だった。僕は僕の友だちと一しょに江東梅園などへ遠足に行った帰りに度々この葛餅を食ったものである。江東梅園も臥竜梅と一しょにとうに滅びてしまっているであろう。水田や榛の木のあった亀戸はこういう梅の名所だった為に南画らしい趣を具えていた。