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ししゃのけんり
死者の権利
浜尾 四郎
「週刊朝日 秋季特別号」1929(昭和4)年9月20日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,854 字 · 61 页
である。(K電話)
惨死体須山健吉氏の息と判明
既報H山上で自動車にて墜落惨死した紳士は須山健吉氏の長男春一(二十六)と判明した。春一はかつて刑事事件を引き起して有名になった男であるが本月二十五日東京市××区××町の自宅より附近の○○タクシーの営業用自動車(運転手高辻清=二十六歳)に乗じ山麓のM温泉までドライヴし夕方同温泉××楼で芸者数名をあげて遊興した。同夜十時ごろH山上の湖畔ホテルに赴くと称して去ったのであるが、同夕運転手高辻清も可なり酩酊していたということであるからして惨事現場崖上の国道で操縦を誤り十数丈の崖上よりS川に向って自動車諸共墜落したものと思われる。同夜湖畔より麓に下った自動車がたった一台あり現場より約半里下で一台の自動車が登って来るのに出会ったということであるから惨事の起ったのは多分二十五日の夜十一時ごろであったらしい。自動車は殆ど半分粉砕されており須山春一は落下と同時に即死したものと思われる。なお係官出張し春一の死体は解剖に附せられるはずであるが、同じ災難に会ったと信ぜらるる運転手高辻の死体は未だに発見されない。
即ち新聞の記事によりますと、須山春一は運転手の過失により共に自動車に乗ったまま崖から落ち、運転手の死体は未だ発見されず、しかも椿事のあった日から一日おいて此のさわぎが漸く発見