轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ししゃのけんり
死者の権利
浜尾 四郎
「週刊朝日 秋季特別号」1929(昭和4)年9月20日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,854 字 · 61 页
「まるで刑法の教科書にあるような事件さ。行方の知れない運転手についても話があるんだが目下捜査中と思うからまあ差しひかえておこうよ」
S弁護士の話は斯うでした。
そうとすれば事件は甚だ複雑ですが、よく判ってくる節々も出て来るのです。秋田清吉は、須山春一がだんだん陰鬱になって行ったことを記しています。それでいて夜は以前のような放蕩をくりかえしたといっています。之は心の悩みをまぎらしたわけではないでしょうか。そうしてとうとう自殺の決心をしたのです。だから実際当日いろんなことを考えていつになく暫らく秋田を待たせて決死の色をして出かけたのでしょう。
彼は××楼でこの世の名残りに馬鹿さわぎをやったのです。そうして酔いの勢いをかりて劇薬を呑んだのではないでしょうか。
秋田が車をとめて中を見た時は春一は殆ど絶息しかかっていたのでしょう、丁度その位の時間がたっています。秋田はただ泥酔しているとのみ考えました。そうして、
「苦しい、水をくれ」
という最後の悲鳴を、酔ッ払いの言葉とうけ取ったのです。
春一が秋田めがけてつかみかかろうと立ち上ったのが、実は彼の断末魔の苦悶だったのではないでしょうか。