轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あぶらじごく
油地獄
斎藤 緑雨
「国会新聞」1891(明治24)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,624 字 · 69 页
五
合乗もする、恐い事恥しい事嬉しい事哀しい事面白い事可笑い事、腹一杯遣って退けたと思うと元の鳴鳳楼の座敷へ環り、「あら儂のではお厭なの」、のお温習がまた始まる。
ようやく疲労れて寝附いた貞之進は、いつも上二小間のはずの窓の障子へ一面日の当った頃目を覚し、周章てゝ起きて筆立に入てあった楊子を取り、急わしく使いかけたのがだん/″\緩くなって、その手が動かないほどに見えた時はまた思い出した時で、目賀田さんすぐ御飯をあがりますかと、隣の室の入口あたりまで来て尋ねる小女に促され、応と云って部屋を出たそこの柱に、四面楚歌声と誰かゞ落書したのが目に這入り楚歌の歌の字がことに大きく見えて、何とも知れず頭に響く者があると同時に、その柱が芸子髷に花笄を挿し、それが小歌のようで虞氏のようで、二階を下りるのが自分のようで項羽のようで、顔を洗い済して部屋へ戻り、出校の時刻と急いで箸を取ったが、膳から考えて向うを見ると、又何だか坐って居るようだ。
五
それからの貞之進というものは、明けても小歌暮れても小歌、日として夜として、小歌の姿が眼に映らぬ