轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かいじょうはつでん
海城発電
泉 鏡花
「太陽 第二卷第一號」1896(明治29)年1月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,039 字 · 25 页
七
」と看護員は声に応じて答えたり。百人長は頷きぬ。
「可、改めて謂え、名を聞こう。」
「名ですか、神崎愛三郎。」
七
「うむ、それでは神崎、現在居る、ここは一体どこだと思うか。」
海野は太くあらたまりてさもものありげに問懸けたり。問われて室内をしながら、
「さよう、どこか見覚えているような気持もするです。」
「うむ分るまい。それが分っていさえすりゃ、口広いことは謂えないわけだ。」
顔に苔むしたる髯を撫でつつ、立ちはだかりたる身の丈豊かに神崎を瞰下ろしたり。
「ここはな、柳が家だ。貴様に惚れている李花の家だぞ。」
今経歴を語りたりし軍夫と眼と眼を見合わして二人はニタリと微笑めり。
神崎は夢の裡なる面色にてうっとりとその眼をりぬ。
「ぼんやりするない。柳が住居だ。女の家だぞ。聞くことがありゃどこでも聞かれるが、わざとここん処へ引張って来たのには、何か吾々に思う処がなければならない。その位なことは、いくら無神経な男でも分るだろう。家族は皆追出してしまって、李花は吾々の手の内のものだ。それだけ予め断っておく、可か。
さ、こう断った上でも、やっぱり看護員は看護員で、看護員だけのことをさえすれば可、むしろ他のことはしない方が当前だ。