轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かいじょうはつでん
海城発電
泉 鏡花
「太陽 第二卷第一號」1896(明治29)年1月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,039 字 · 25 页
三
」
「いえ、全く、聞いたのは呻吟声ばかりで、見たのは繃帯ばかりです。」
三
「何、繃帯と呻吟声、その他は見も聞きもしないんだ? 可加減なことを謂え。」
海野は苛立つ胸を押えて、務めて平和を保つに似たり。
看護員は実際その衷情を語るなるべし、いささかも飾気無く、
「全く、知らないです。謂って利益になることなら、何秘すものですか。またちっとも秘さねばならない必要も見出さないです。」
百人長は訝かしげに、
「してみると、何か、まるで無神経で、敵の事情を探ろうとはしなかったな。」
「別に聞いてみようとも思わないでした。」
と看護員は手をその額に加えたり。
海野は仕込杖もて床をつつき、足蹈して口惜げに、
「無神経極まるじゃあないか。敵情を探るためには斥候や、探偵が苦心に苦心を重ねてからに、命がけで目的を達しようとして、十に八九は失敗るのだ。それに最も安全な、最も便利な地位にあって、まるでうっちゃッて、や、聞こうとも思はない。無、無神経極まるなあ。」
と吐息して慨然たり。看護員は頸を撫でて打傾き、
「なるほど、そうでした。閑だとそんな処まで気が着いたんでしょうけれども、何しろ病傷兵の方にばかり気を取られたので、ぬかったです。