轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
「夕刊大阪新聞」1934(昭和9)年8月7日~12月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,496 字 · 368 页
が、民弥は意にも介せず、朗らかに微笑しちょっと頷き、菊女へも会釈の一揖をしてから、
「耳よりの話聞きましてござるぞ」
と、兵庫と向かい合って座を占めた。
「耳よりの話? 何事でござるな?」
云い云い兵庫は膝を進めた。
「紀伊殿寵愛の萩丸殿が……」
「萩丸殿? ご愛孫じゃな」
「紀伊殿ご愛孫にござります」
「その萩丸殿何んとされました?」
「紀州より江戸表へ出府され、侍臣を連れて物珍らしそうに、毎日江戸中をご見物とか……」
「…………」
「剛愎無比の頼宣卿も、このご愛孫のお言葉とあれば、どのようなことでも聞かれますとのこと……」
「な、かるがゆえにそのご愛孫を、我らの手にて……我らの手にて……そうしてそれを囮といたし、五十嵐殿や紀州表において、捕縛された同志の方々を……」
「なるほど」
と兵庫は頷いた。
「これは妙案、たしかに有効……が、しかし、いかがいたして……」
兵庫はここで打ち案じた。
「萩丸殿、幾歳でしたかな?」
「十八歳かと存じまする」
「十八歳。……ふむなるほど。……とするとまんざらでもない年じゃ」
ここで兵庫は菊女の方を見た。
「ひょっとかすると菊女殿に……」
「はい、何んでございますか?」