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しろうまだけ
白馬岳
木暮 理太郎
「教材講座」1927(昭和2)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,746 字 · 28 页
四ツ家口の概況
是等の中で四ツ家口は何といっても平原、山麓、森林、雪渓、お花畑という風に、よく調和された変化がある上に、道もよく、設備も比較的整っているので、最も登山者が多く、其数は年に幾千に上るということである。それで四ツ家口の登山路に就て大略を記すことにした。
四ツ家口の概況
四ツ家(本来は平川であるが四ツ家で通っている)には俗に山木という宿屋があって、登山者の世話をして呉れる。近頃は道も改修され、途中にも頂上にも小屋が建てられて、全く野営の必要がなくなったので、白馬三山を上下するだけならば、丈夫な金剛杖と金を携帯する位の身軽な扮装で済むことになった。
さて支度を整えて山木を出発し、西に向って田の間を進む。正面には紫藍の肌に雪を鏤めた白馬三山から奥不帰岳、唐松岳に至る連嶺の姿を天半に望んで、清爽な朝の気分が一しおの壮快を覚える。左手に細野の人家を眺め、上ッ原と呼ぶ平坦な原野に出る、木立の中や草原には桔梗、女郎花、松虫草、コマツナギ等が咲いている。其処を通り過ぎると二股に着く、四ツ家から一里余りであろう、立派な小屋がある。
二股は白馬岳から発する北股と、鑓ヶ岳から発する南股との二渓が落合う所なので其名がある。