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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页
安「万年町さん、エヽ仰せの通り若主人伊之助に御離縁状を書かせて持って参りました」
と差出すを受取り、
政「お父さんが出さないと云っても伊之助さんさえ離縁状を書いて下されば、それで宜しい」
安「いえ、何うか是はソノ当人の病気が全快致しますまでのホンのおまじない同様の訳でございますから、当人の病気が全快致しました上は、又何の様にもお話合を附けます事ゆえ、何うか御立腹なく願います、実は当人も出す気のないところを無理に勧めて書かせましたのですが、是は只仮にホンのモウ反故同様のもので」
政「何をいうのだ安兵衞さん、お前も立派な人じゃア有りませんか、離縁状を取らなければ他へ妹を縁付けることが出来ませんから貰う離縁状、反故には出来ません、冗談云っちゃアいけませんよ、お前さんの方では病気の癒るまでとか、おまじないの為とか思召しましょうが、当方では真面目に取りますから左様思召し下さいまし……雪や、雪、一寸お出で」
雪「はい」
と広間で不動さまへお百度を踏んで居りましたが、先程からの様子を薄々聞いて居りましたから、涙ぐんで出てまいり。
雪「お兄いさま、お呼びなさいましたか」