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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)

粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

三遊亭 円朝

02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页

青空文庫

尼「いや皆なそれは約束事でよい人も零落れる事も有れば、また心掛けの善く無い人でも結構な暮しをして、日々のことに困らないのは前世の因縁であるから、何事も気を永くして時節の来るのを待たなければならない、また病も治らん事はありませんから緩りお寝なさい、明日は会いたいと云う人が屹度来ましょう、其の人に逢えばお前さんの身も立ちましょうからよ」

小「千万忝けない」

尼「何んぞ上げましょうか、寺だからお肴も何も無いが、温かいお粥でも拵えて雑炊のようなものを上げましょう、私は穀類はいけませんが蕎麦掻は喰べるから有りますよ」

小「誠に御真実に有難う存じます」

尼「お寒かろうから、もっと火を沢山持って来て上げな」

と是から行灯を持って参り、夜具を貸して寝かしてくれました、美惠比丘尼は居間に這入り看経を仕舞い、蕎麦掻を少し喰べてから薄い木綿の座布団を内仏の前へ敷き、足を組んで坐禅観法をいたし、無心になって頻りと公案をして居りまするが、雪は夜に入り深くなりますから一際しんと致しています。其の内にお弟子の尼達も昼の疲れと見えまして、皆スヤリ/\と寝附く。中には鼾の強い