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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
三遊亭 円朝
02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页
のであろう、私が旅で艱難苦労をした事や、お刀詮議のために辛苦をいたしたことを細やかに話したいけれど、此処は往来なり、受けた疵も幸い浅いゆえ、兎も角私の仮宅なる扇町まで手を曳いて往って呉れろ」
というので、音羽は手早く上締を取り、疵口を幾重にも巻き、小三郎を労わり、
音「亭主のために亭主を殺すとは、えゝ何たる事か、私のような因果なものは無い」
と泣きながら漸々に小三郎に聞き/\扇町へ参りますると、表は一寸生垣になって居る狭い宅だが、小綺麗な家作で、舁夫の安吉が働きにまいって居り、留守居や何かして居りまする。
○「安吉どん明けて下さい、安吉どん、ちょっと明けて下さい」
安「ヘエ……眼の悪い癖に夜出るからいけねえんだ……ヘエ只今明けます」
と云いながら立って参り、戸を明け、
安「お帰んなせえ、何方へ、お迎えに往きたくっても見当が分らねえから出る事が出来ねえんだ、お目が悪いから親方も心配してました」
小「誠に遅うなりました、今日は少々仔細あって仮宅へ往きました」
安「エヽ、仮宅なんぞへ往っちゃアいけません……オヤ真赤になって何うなすったんです」
小「帰り路に洲崎の土手で賊に出会い、過って手傷を受けたので」