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あわだぐちしめすふえたけ(さわのむらさきゆかりのさきわけ)

粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

三遊亭 円朝

02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,342 字 · 389 页

青空文庫

んですが、若旦那がお屋敷へ御帰参になるので、実に大騒ぎというのは、お衣服から、大小からお荷物まで拵えて、華やかにしてお屋敷へ御帰参になるようにしなければならず、また私も侍分に取立てると仰しゃるんですから、今までと違いますれば、上下から小袖まで相当のものを買調えなければなりません、けれども若旦那のお買物に多分に費りますので、自分の支度金どころではありません、就きましてはお母さんは誠にお心掛けの宜いお人ゆえ、少し金子のお貯えが有るなら私に貸して下さいな、それに親父が正月名主さまの処へ年始に往く時に差した、あの大切にしていた脇差がありましたが、あれで間に合うからお父さまの形見に下さいな、能くお父様がこれだけは己も武士の果の印だと御自慢なすった事が有りましたが、あれをお譲りを願います」

しの「あゝ譲るとも、それに己も心にかけて、此の畠や田地を汝がに譲っても額が知れてるから、切めて金でも遣るべえと思って、己が身の上では巨く貯めた積りだが、父様の脇差も汝より他に譲るものはねえ、今出して来て遣るから少し待ちてろよ、能くマア汝エはアそんな柔しげな心になってくれたかと思うと、己アはア実に何だか飛立つ